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外壁塗装の工程

下塗り(微弾性フィラー)

外壁塗装に使用される下塗り材には2種類あります。サイディングボード壁にはシーラー、モルタル塗装仕上げ壁には微弾性フィラーという下地調整材を使い分け、下塗りをします。微弾性フィラーには厚膜仕上げと平塗りがあります。砂骨ローラーといってヘチマの目のようなローラーを使用して、ゆず肌状の山形模様を付ける工法が厚膜仕上げ、通常のウールローラーを使用して色を塗る工法が平塗りと言います。厚膜仕上げの方が塗膜が厚くなるため、外壁の保護性能がアップします。

これらの下塗りの工程を下地の種類・劣化具合によっては2度、3度と行う場合もあります。下塗り工程を確実に行い、上塗材の下地をしっかりと作るという事が塗装工事を行う上で1番大事な事なのです。

トップコート1回目(シリコン系塗料)

適切な下塗り工程が完了すると、今度はトップコートを塗ります。大きく分けるとアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッソ塗料、無機塗料などがあります。また、シリコン塗料とフッソ塗料の中間に位置するラジカル塗料というものが出回り始めました。現在はこのラジカル塗料、シリコン塗料が価格面、性能面から一般的となっています。

塗料の種類にもよりますが、塗料には元々粘度が硬いものもあり、そのままでは塗りにくく仕上がりも綺麗にならないものもあります。そこで水性塗料であれば水、溶剤系であればシンナー系の希釈剤で薄めて使用するのですが、このとき各メーカーで塗料の仕様書に書かれている希釈量を遵守して、塗料を薄めることが重要です。

仕様書の規定量を守らずに多めに希釈して材料を節約するという業者もいるようですので注意が必要です。薄めすぎた塗料を使用して塗装をすると、塗膜の厚みが薄くなります。そうなるとせっかく塗装したのにすぐに劣化が始まることとなってしまいます。適切な希釈量を守って塗ることで確実な膜厚を得ることができ、強靭な塗膜を得る事ができるのです。

トップコート2回目(シリコン系塗料)

トップコートは1度に厚塗りしてしまうと液垂れや塗膜の中身が固まらないなどの硬化不良の原因となりますので、通常は2回に分けて塗ります。

この1回目のトップコート塗りの工程を省いてしまう手抜き工事が横行しています。しっかりと2度塗りして塗膜に厚みを持たせなければ工事完了時すぐには綺麗に見えても、早期変退色、早期劣化が確実に起こりますので注意が必要です。

完了

以上の工程を経て外壁塗装は完了します。

本物の塗装が施行されたかどうかは工事完了時ではわかりません。もし仕様書の通りに塗装工事が行われていなければ、何年後かに何らかの不具合が出てきて、施工が正しく行われていたのかどうかが、その時点ではっきりわかるでしょう。

年月が経たなければ結果がわからないのが外壁塗装工事の特徴です。

長持ちする塗装塗膜は確実な施工方法からのみ得ることができるのです。

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